創立100周年に向けて
卒業生、各界の皆様へ
ご支援、ご協力のお願い
学校法人近畿大学は、大正14年(1925年)に創立された大阪専門学校と、昭和18年(1943年)創立の大阪理工科大学を母体として統合し、昭和24年(1949年)に新制近畿大学として発足し、以降発展の一途をたどり令和7年(2025年)に創立100周年の節目を迎えます。
世耕弘ーの提唱した「実学教育」と「人格の陶冶」を建学の精神とし、「人に愛され、信頼され、尊敬される」人づくりを教育の目的として教育、研究、医療活動に邁進し、現在では、15の学部と12の大学院研究科及び水産研究所等の様々な研究施設をはじめ、2つの大学病院、2つの短期大学、工業高等専門学校、看護専門学校、16の附属校園を有する日本屈指の総合大学に成長しました。これもひとえに卒業生の皆様をはじめ、各界各層からのご理解とご支援の賜物と、心から感謝いたしております。
本法人では、創立100周年記念として、本趣意書に掲げておりますコンセプト等に沿って様々な事業を展開し、学生、生徒及び患者様へのサービス向上、教育支援や研究・医療活動のより一層の充実を目指し、これらを実現するためには、多額の資金が必要となります。本法人でも外部資金の獲得や経費節減等、より一層努力いたしますが、皆様からのご支援が大きな支えとなります。
18歳人口の減少に伴い、大学をはじめ教育機関を取り巻く環境は非常に厳しい状況にありますが、創立100周年を迎えるにあたり、本法人は、次のステージへ進むべく、教職員一同、一丸となって邁進する所存でございます。本趣意書の内容を含め、今後の学校法人近畿大学の決意にご賛同いただき、ご支援、ご協力賜りますようお願い申し上げます。
令和6年(2024年)4月
学校法人近畿大学理事長
世耕 弘成
近畿大学学長
松村 到
建学の精神
「実学教育」と「人格の陶冶」
教育の目的
人に愛される人
信頼される人
尊敬される人
を育成することにある。
創設者 世耕弘一と近畿大学
"総合大学として多彩な学部を揃え、「実学教育」によって研究成果を社会に役立てる。"
確固たる信念を持ち、近畿大学を創設した世耕弘一の「炎の人生」をたどります。
自らの運命を切り開く、
不撓不屈の苦学生
明治26年(1893年)、和歌山県に生まれた世耕弘一は、高等小学校卒業まで首席を通しながら、経済的な理由で中学進学をあきらめて奉公に出ました。しかし、学問への思いは断ちきれず、東京・神田の英語学校を経て日本大学へ進学。卒業後は朝日新聞社に就職しますが、弘一の才能と志に注目していた日本大学によって、大正12年(1923年)、ドイツの名門ベルリン大学へ留学する機会を与えられました。
近畿大学初代総長
世耕 弘一
明治26年(1893年)~昭和40年(1965年)
反骨精神を貫いた、
孤高の政治家
留学を終えた弘一を待っていたのは、不況の嵐が吹き荒れ、失業者が溢れる日本でした。「国民を飢えさせてはいけない」との思いから政治家を志し、昭和7年(1932年)に衆議院議員に初当選。以後30余年、権力の不正と戦う“反骨の政治家”として、国民のために手腕をふるい続けました。
理想の大学づくりに
心血を注いだ、情熱の教育者
弘一は活躍の舞台を教育現場に移します。貧しさのため一度は進学を断念した経験から、「学びたい者に学ばせたい」と近畿大学の創設に情熱を傾けました。「医学部から文学部まで全学部を揃えたい。全ての日本人が大学教育を受けられる時代を見据えた先駆けモデルとなる大学をめざす」。「学問・実際一如の有機的教育の徹底を建学の精神とし、特に魂の啓培に力を注ぎ、堅実な思想を持つ有為な人材養成を目的とする」。弘一が人生をかけて思い描いた理想の教育、それが近畿大学であり、現在もその精神が受け継がれています。